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Newsweek LAST PRINT ISSUE -Japan cnet(December 27, 2012)


 デジタル化への完全移行という、大きな決断。
 20世紀を彩った、この歴史ある雑誌の決断は、
 いったい、何を象徴しているのだろうか。
 ページを巡るたびに、微かにインクの感触を覚えた私の指先は、
 やがて過去の記憶のものになるのだろうか。
 たしかに、環境のこと、コストの合理性を考えれば、
 その決断は、当然ともいえるのかもしれない。
 しかし。ふと、ひとつの光景を思い描いてしまう。
 試合終了後の、野球のスタジアム。グリーン・フィールド。
 打球の音は聞こえない。選手達は既にベンチの奥へと消えている。
 観客もまた、ひとりまたひとりとスタジアムを後にする。
 スコアボードはもう消えていて、誰が勝者かは分からない。
 割れんばかりの大歓声が、耳にこびりついている。
 けどいまフィールドに響くのは、球場を去る観客の足音だけ。
 ・・・
 これは、ただの感傷なのだろうか。
 それとも、何か別の感情なのだろうか。
 これから敢えてマウンドに立とうとする選手におくられるものが、
 歓声か、ブーイングか、私には知る術はない。
 ともかく我々は資源という資源を貪り尽くしてきた。
 こうした感情を抱くことすら罪だといわれる時代とならぬ前に、
 何かの手を打たなければいけないことは、分かっているのだけれども。

TONY BENNETT

66-1
クリント・イーストウッドが制作したトニー・ベネットのドキュメンタリー・フィルム『TONY BENNETT MUSIC NEVER END』では、名曲「霧のサンフランシスコ(I LEFT MY HEART IN SAN FRANCISCO)」について、こんな風に語られている。
「トニーは歌詞を超えた感情を注ぎ込んだ。つまりSan Franciscoが思い出の場所とは限らない。San Franciscoは思い出の象徴なんだ。その場所がどこであれ、変わることなく存在する」
 
フランク・シナトラの偉業を引き継ぎ、デューク・エリントン、レイ・チャールズ、ハリー・ベラフォンテらと時代を駆け抜けたトニー・ベネット(キング牧師とともに公民権運動にも参加していた)が、80歳を超えてなお美声を響かせている事実は、驚くべきことだ(最近ではジョン・レジェンド、C・アギレラとも共演している!)。

50's America…Cadillacのテールフィン、James Deanのブルージーンに存在した『夢のアメリカ』。
いまもトニー・ベネットの歌声の中に『夢のアメリカ』が聞こえる。地上の何処にも存在しない、現実のアメリカではない、Golden America...。