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Newsweek LAST PRINT ISSUE -Japan cnet(December 27, 2012)


 デジタル化への完全移行という、大きな決断。
 20世紀を彩った、この歴史ある雑誌の決断は、
 いったい、何を象徴しているのだろうか。
 ページを巡るたびに、微かにインクの感触を覚えた私の指先は、
 やがて過去の記憶のものになるのだろうか。
 たしかに、環境のこと、コストの合理性を考えれば、
 その決断は、当然ともいえるのかもしれない。
 しかし。ふと、ひとつの光景を思い描いてしまう。
 試合終了後の、野球のスタジアム。グリーン・フィールド。
 打球の音は聞こえない。選手達は既にベンチの奥へと消えている。
 観客もまた、ひとりまたひとりとスタジアムを後にする。
 スコアボードはもう消えていて、誰が勝者かは分からない。
 割れんばかりの大歓声が、耳にこびりついている。
 けどいまフィールドに響くのは、球場を去る観客の足音だけ。
 ・・・
 これは、ただの感傷なのだろうか。
 それとも、何か別の感情なのだろうか。
 これから敢えてマウンドに立とうとする選手におくられるものが、
 歓声か、ブーイングか、私には知る術はない。
 ともかく我々は資源という資源を貪り尽くしてきた。
 こうした感情を抱くことすら罪だといわれる時代とならぬ前に、
 何かの手を打たなければいけないことは、分かっているのだけれども。

JACQUES PREVERT | PAROLES

109-1


かつて作家の伊集院静氏は寺山修司の詩について、彼の言葉の選択はいつも大衆のスタンドの中に在った、だから今も輝きを失わない、という意の言葉を残した。
それはジャック・プレヴェールについてもあてはまるのではないか、と思っている。

LE JARDIN

  Des milliers et des milliers d'annees
  Ne sauraient suffire
  Pour dire
  La petite seconde d'eternite
  Ou tu m'as embrasse
  Ou je t'ai embrassee
  Un matin dans la lumiere de l'hiver
  Au parc Montsouris a Paris
  A Paris
  Sur la terre
  La terre qui est un astre.
  
-Jacques Prevert

幾千年、幾万年かけても及ばない
あの永遠の一瞬について 語るには
俺が君にくちづける
君が俺にくちづける
冬の光射す、あの朝
パリ14区の公園で
パリ、地上、ひとつの地球の上で

ジャック・プレヴェール「園地」/ 拙訳