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Sonny Rollins Live in 65&68

JAZZ FILE : Sonny Rollins Live in 65&68 - WOWOW online
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 WOWOWで観た昔のソニー・ロリンズのライブ。昼間の再放送ということもあり、なんとなく軽い気持ちでTVを点けたのだけれど・・・

 でも、やはりその演奏の質に驚かされる。テナーサックス:ソニー・ロリンズ、ベース:ニールス・ペデルセン、ドラム:アラン・ドーソン。僕以外に誰もいない午後のリビングで、彼らの演奏はあまりに心地よく響き続ける。僕は暫し家事の手を止めることになる。皿なんか後で洗えばいいし、豆を煮込むのも後で構わない(洗濯も・・・とか言い出しそうになる。家事ってきりがないですね、ほんと)。

 JAZZ FILEで取り上げられていたソニー・ロリンズのライブは、前半・後半に分かれ、それぞれ演奏時期が違う。前半は1965年、後半は1968年の演奏。どちらもデンマークでプレイされたものだが、前者はコンサート・ホールでの演奏、後者はテレビ・スタジオでのセッションとなる。基本的にプラグレスのトリオ演奏だが、後半はケニー・ドリューのピアノが加わってカルテットとなる。

 それにしても、この時期のソニー・ロリンズのスタイルは、結構ひとつの幸福な調和状態にあるような気がする。創作者であろうとする姿勢と、ひとりの経験豊かな演奏者としての姿勢との。なんというか、その演奏はとても落ち着き払っている。少なくとも「聴かせてやる」という気負いなんて、どこにも感じられない。とにもかくにもクールな演奏。ソニー・ロリンズの魅力のひとつといえば、やっぱり「奇跡的なアドリブ」ということになるかもしれない。けれどもそれは、たとえば共演するプレイヤーの力量や相性によっては、いささか大げさなものにもなりかねない。65&68のライブには、過剰な「はみだし」がない。それはもちろんバンドの質がいいということもあるけれど、アドリブの際に発生する冒険心みたいなものは、一種の自制心のようなものによって、適度な分量に抑えられている。終始コントロールされたドライブ。もちろん演奏には艶があり、伸びやかなメロディにはハリがある。でも、過ぎたるものは一切ない。

 人々は、それがソニー・ロリンズであるということだけで、多くのものを期待してしまう。でも仕方がない。すぐれたプレイヤーにとってそれは避けがたい宿命だ。もちろん、非常に頭の切れるソニー・ロリンズである(同時にその性格は繊細で、思うところあって一時期シーンから姿を消したりしたこともあるなど、非常に人間的な人物であることもよく知られている)、人々が自分の演奏に何を求めているのかなど、よくわかっていた。だからこそ定住に飽き足らないロリンズは、意識的に、一種の可逆性を残しつつ、様々なプレイスタイルに以降挑戦していくことになる。70年代はフュージョン畑のプレイヤーとのセッションも意欲的に試みたし、80年代にはエレクトリックも取り入れた。うまくいったこともあり、うまくいかなかったこともある。しかしそのプレイの骨格にあるものは、ちょっとやそっとじゃびくともしない。その芯に一貫したソニー・ロリンズらしさを感じ取ることができる。そうした堅牢な“ソニー・ロリンズ性”は、時代を超えて僕らの心を惹きつける。

 65&68のライブ、良かったですよ。また放送しないかな。

 ちょっと話題を変えて。前田憲男&ウィンドブレイカーズの話。実は先日行なわれた30th Anniversary のライブを見に行ってきました。演奏そのものは、さすがのウィンドブレイカーズだけあって、悪かろうはずもない。ベースで歌わせる『Beautiful Love』のアレンジなんて、いかにも前田憲男氏らしいし、『Sambop』には若々しいダイナミズムがあった。それに稲垣次郎氏のテナー・サックスは相変わらず色気に溢れている。
でも、ちょっとステージには問題があった。有楽町朝日ホールはジャズを聴く場所としては少々オーセンティック過ぎるのだ。もちろん格式ある場所には違いない。けど、ステージ上は素っ気ないと言えるほど装飾は一切ないし(デコラティブである必要は全くないけれども、折角のウィンドブレイカーズの30周年なのだから、“30th”をあらわす何らかのものがあってもいい気がする)、そしてバンドと観客のあいだには、ちょっと距離がありすぎる。ホールの性質から仕方がないのかもしれないけれども、飲みながらジャズを聴けないというのもちょっとという気がする。けど、観客はとても真面目に、しゃんとして演奏を聴いている。クラシックの演奏会のように。この日の観客は僕よりわりに上の世代が殆どで、ずっとウィンドブレイカーズを追いかけてきた人々が多いから、どんな状況でも「ひとつ聴いてみよう」という余裕がある。でも僕はそうした禁欲的な雰囲気には、結局なじむことが出来なかった。出来ることならば、一杯ひっかけつつ、体をリズムに乗せてジャズは聴きたい(ちなみにチケット代は¥7000。そしてお土産にパスタの乾麺が配られる)。

 『Beautiful Love』といえば、それを歌っている最近のジャズシンガーの中で、文句なくお気に入りなのが、ソフィー・ミルマン。声質が圧倒的にいい。下記のURLから試聴出来るので、良かったら聴いてみてください。
http://musico.jp/contents/contents_index.aspx?id=tZT3O

Diana Krall | Fly Me To The Moon



 ダイアナ・クラールのVEVO (ヴィーヴォ) から"Fly Me To The Moon"

 Fly me to the moon
 Let me sing among those stars
 Let me see what spring is like On Jupiter and Mars
 In other words, hold my hand

 私を月へ連れていって
 歌わせて 星たちの狭間で
 私に見せて 遠くの星々へ訪れる春がどんなものなのか
 つまり、この手を握り締めて欲しいのよ



 Diana Krallは楽曲にどっぷり身を浸し、せつせつと歌い上げるようなVocalistではない。どちらかというと、プレイする楽曲に対し、適度にクールな姿勢を保ちながら歌うタイプだ。だからこそ、こういったスタンダードを歌うとき、抑制の効いた彼女のスタイルは物凄く光る。彼女のHusky Soundな歌声はひんやりとした憂いを秘め、そっとぼくらの耳に届いていく。それはとてもセクシーなことだと思う。